アメリカ米国ボクシング界の英雄、モハメド・アリは、1975年、自らの保持する世界チャンピオンベルトを賭けてタイトルマッチを行った。
対戦相手は全く無名の白人ボクサー、チャック・ウェップナー。
ボクシングだけでは食えず、様々な仕事を転々としながら生計を立てていたこの三流ボクサーに勝ち目など無かった。
試合は当然アリが勝利するわけだが、意外にもウェップナーはアリからダウンを奪うなど大健闘をした。
たまたまこの試合を観戦し、感銘を受けたシルベスター・スタローンは、この試合を基に「無名の三流ボクサーが偉大なチャンピオンに挑戦する」という内容の脚本を書いた。
それが映画「ロッキー」である。
「ロッキー」は世界的に大ヒットしシリーズ化された。
ボクシング界に与えた影響も大きく、ボクシングの人気向上にも貢献したと思う。
ちなみに主人公「ロッキー・バルボア」の名前の由来は、49戦全勝という生涯無敗で引退した実在のボクサー「ロッキー・マルシアノ」からつけられたものである。
映画「ロッキー」の見どころは、逆境を克服し、勝ち目のない相手に向かっていく主人公の姿にあると思うが、それに加え「存在感の強い敵役」「観る者の気持ちを鼓舞させる音楽とトレーニングシーン」も「ロッキー」を面白くするために必要不可欠な材料だと思う。
過去のシリーズの中では、個人的には第4作目「ロッキーⅣ 炎の友情」が一番好きだ。
この作品はすべての場面が「見どころ」と言っても過言ではない。
特に、ソ連のボクサー「イワン・ドラゴ(ドルフ・ラングレン)」の強烈過ぎる迫力と存在感は、圧巻という一言に尽きる。
次から次へと流される、映像と音楽の組み合わせも申し分ない。
当時中学生だった僕は、鑑賞後は完全にドラゴになりきって上野の映画館を出たような記憶がある。
今思うとあの日の上野には、ロッキーやドラゴになりきった数百人の少年達がいたことだろう。
漫画家の原哲夫さんも、かなり影響を受けたのだろう。「北斗の拳」に出てくるファルコというキャラクターは、ドラゴそのまんまだ!
確かに、アクション漫画を描いている者にとって、あれほど強烈な人物をモデルにしない手はない。
ボクシングもロッキーも興味ない!という人でも楽しめそうな映像を2つほど。
◆「ジェームス・ブラウンが好き!」「Living in Americaの曲が良い!」という人は以下の映像をご覧ください。
僕はこの映像を観て始めてジェームス・ブラウンを知り、この曲に魅了させました。
「ロッキーⅣ」より、アポロ・クリードVSイワン・ドラゴ、試合前の入場シーン。
ド派手な演出とお祭り騒ぎのアメリカ人に対し、標的だけをジッと睨みつけるソ連人ボクサーの対比に、ある種の恐怖感を感じました。
http://www.youtube.com/watch?v=GooPzffWkVc(3分9秒)
◆「ボクシングは興味ないがプロレスは好きだ!」という人はこの映像を。
ニックネームは「超人」・合言葉は「一番」、漫画「キン肉マン」に登場したネプチューンマンのモデルでもあり、日米で伝説のレスラーが登場!
「ロッキーⅢ」より、ロッキー・バルボアVSハルク・ホーガン。スゲェ体格差!モハメド・アリVSアントニオ猪木の試合もこれくらい派手だったら・・・。
http://www.youtube.com/watch?v=J0hQDZosYK0(8分57秒)
第6作「ロッキー・ザ・ファイナル」が公開された(まだ観てない!)。
「還暦を迎えたロッキーがリングに立つ」という展開のようだ。
いくらなんでも無理がありすぎるのでは?と疑問を投げかけたくなるが、「ロッキー」というだけで、ボクシングファンとしては興味深い。
現在、日本のボクシング界は完全に人気が低迷してしまっている。
野球に興味がなくても、日本人なら誰もがイチローや松坂のことくらいは知っている。
しかし、ボクシングに興味の無い人で、日本で活躍している現役ボクサーの名前を一人でも言える人など誰もいないのが現実だ。
難攻不落のバンタム級王者ウィラポン(タイ国)を2度にわたり撃沈させた長谷川穂積(はせがわ ほずみ)。
デビューから8戦目という国内最短記録で世界王者奪取に成功した名城信男(なしろ のぶお)
攻防の完成度が高く、観る者を唸らせるテクニックの持ち主、タイ国出身のイーグル京和(いーぐる きょうわ)
など、強くて話題性のある現役の世界チャンピオンがいるのだが、一部のボクシングファンやマニアにしか知られていないのが現状だろう。
「ロッキー・ザ・ファイナル」の公開が、少しでも日本のボクシング人気復興の火付け役になれば!と願わずにいられない。
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